12月3日 星組 担当:梶川
今日から稽古時間が3時間になり、次回公演に向けてのシーン創作をしています。
次回作品はどうしたって老人ホームを舞台にしたものになるのだろうと予想されます。
課題でだされる設定が役柄の関係性はさまざまであっても、老人ホームにまつわるものになっています。
今日出された課題は新しく老人ホームに入居した人を案内するシーンでした。
老人ホームという場所の特異性について考えます。
自立生活に課題があり在宅ケアを受けることが困難な65歳以上の高齢者が入所する施設のことを一般に老人ホームと言います。
共同生活であり、誰かに頼らないと生活ができないと。
無断では外出できないとか。
特異な場所です。
別にそんな特異性を描きたいわけではないのでしょうが。
どうであれストレートに老いを扱うわけで。
老いるとはどういうことでしょう。
エリクソンという心理学者のライフサイクル理論という考えがあります。
ライフサイクルと人生を誕生から死までの一つのプロセスと考え、いくつかの発達段階に分けるものです。
エリクソンは8つにわけ、その最後が60,70代以降の老年期になります。
そしてそれぞれの発達段階には発達課題があります。
老年期で発達課題が自己統合と絶望のせめぎ合いになります。
自己統合はプラスの課題でこれまでの人生を振り返り肯定的な捉え直し。
対する絶望は体の衰えなどに起因するものです。
自分の人生を納得し、死を迎える準備をすること。
この課題を乗り越えた時に英知が得られます。
文字情報としての知識としてはこういう事だとして、では実際に統合とはどんなことか、英知とは何なのか。
絶望ということの方が想像しやすいと感じるのは、さておき。
さて、別に作品が統合や英知についてのものになるわけではないのですが。
シーンの積み重ねでどんな情景が見えてくるでしょうか。